INTERVIEW 第二創業者とは?
INTERVIEW 第二創業者とは?
圧倒的な「当事者意識」と「やりきる力」株式会社ADKエモーションズ 代表取締役社長 野田 孝寛
圧倒的な「当事者意識」と「やりきる力」株式会社ADKエモーションズ 代表取締役社長 野田 孝寛
先駆者としてのDNAを継承、次代の日本アニメの可能性を追求
先駆者としてのDNAを継承、次代の日本アニメの可能性を追求
現在のポジションに至るまでの経緯から、まずお聞かせください。
現在のポジションに至るまでの経緯から、まずお聞かせください。

1985年、ADKに新卒で入社。稲垣さんという偉大な創業社長がいる間は、ずっとこの会社にいたい、そんな思いを持っていました。学生時代、広告に関する学校にも通っていたのですが、クリエイターとしては一流になれないと感じ、営業を志望することに。ところが実際に入社を果たしてみると、思い描いていた仕事とのギャップが大きくありました。例えば、当時の総合広告代理店といえば、大きいキャンペーンを担当し、クリエイティブな仕事をするというイメージがありましたが、新人時代の私に回ってくるのは雑誌や、新聞への原稿をミスなく掲載していくという小さな仕事ばかりでした。ただ、今思うと大きな勘違いで、新人が何を言ってたんだろうとは思うのですが。

このままでは面白くないので、誰から言われるでもなく自分で営業活動をスタート。クライアントにダメ出しを食らいながらも、何とか大手文具メーカーのプレゼンを通すことができました。その後は、大手レストランチェーンを担当して、ファミレスのメニューを作ったり、製薬会社に通い詰めて提案活動を続け、2年経ってようやく新製品プロモーションを任せられるというタイミングで、担当変更を命じられました。“せっかくここまでやってきたのに”と当時は悔しい思いをしましたが、実はこれもよく考えられての配置転換だったのですね。実はその次に任されたのが当社のメインクライアントだった大手電機メーカー。今思うと、当時の自分は一人で何でもできると慢心して、役員もそこをわかって、チーム単位で動かざるを得ない担当先に配置換えをしたのです。

結果的にはその仕事はやりがいの大きなものとなりました。一般紙の間にスポーツ紙を挟み込むなど、画期的な取り組みを提案し、一定の評価を得ました。さらに大手製薬グループを担当し、2016年にコンテンツ事業の担当にアサインされました。エージェンシーではなく、自分たちで事業をやる仕事ですから、これも大きなチャレンジとなりました。

コンテンツ事業を手がけることになった当時の率直な感想は?
コンテンツ事業を手がけることになった当時の率直な感想は?。

まず、「何をやればいいの?」と。収益の上げ方がまったく違うので、勉強をしなければというところからはじまりました。ADKでは1963年からコンテンツ事業自体は始まっていて、いわば当社がパイオニアだったのですよね。非常に恵まれた環境ではありましたが、過去の栄光はあるものの、時代の変化の中で、中長期的なビジョンが見え難くなっているという課題を抱えていました。

また、マーケティングとコンテンツに大きな溝があり、それを橋渡しすることで新しい価値が生まれるのではないかと思いました。ここまで人材交流がほとんどなく、組織的に分断されていたのが要因で、そうであるなら広告畑からきたからこそ、その溝を埋めるというのが自分自身の価値になるのだろうと思いました。

溝を埋めるご苦労はありませんでしたか。
溝を埋めるご苦労はありませんでしたか。

意外と苦労といった苦労はしていないのですが、「言語が違う」という感覚はありました。バックボーンが違う中でいかに相手を理解するかという点で苦労しました。そして言語が共通化された後に、大きな変化が生まれてきました。私たちは「Animation's Next」というスローガンを掲げていて、先駆者としてのDNAを継承し、デジタルの力でグローバルにアニメを展開していこうと考えています。

ビジネスモデル自体を作ってきたのは我々なので、だからこそ次のビジネスモデルを作っていくのだという自負とプライドを持ち、時代の変化に適合をしていく。配信プラットフォームを活用し、デジタル化することで自動的にグローバル展開していくことができるものと考えています。

もちろん、我々だけで取り組めるものではなく、業界全体で盛り上げていく必要があると考えています。出版社、製作会社、様々な立場がある中、もっともデジタルに近く、グローバルな拠点を持っているのは我々なので、そういった意味でアニメの発展に寄与できる大きな可能性を持った存在であると自負しています。

2022年までにアジアNo.1のコンテンツマーケティング会社に
2022年までにアジアNo.1のコンテンツマーケティング会社に
ADKエモーションズのように少数精鋭で生産性の高い組織を作るポイントを教えてください。
ADKエモーションズのように少数精鋭で生産性の高い組織を作るポイントを教えてください。

一言でいえば『仕事愛』です。好きだからこそ、コンテンツ愛があるメンバーが揃っているからこそというのはベースにあるとは思いますが、ただ好きすぎる人はそれはそれで困る部分もあったりするので、ビジネス感覚とのバランスも大事だと思っています。

求める人物像を教えてください。
求める人物像を教えてください。

クランボルツというスタンフォード大学の教授が提唱した「計画された偶発性理論」というものがあります。人のキャリアの8割は偶然で決まる。それを引き寄せるためには5つの要素があるというものです。好奇心、冒険心、やってみて、それを続ける継続性、そして思ったようにいかなくても受け止める柔軟性、さらに、どうにかなるだろうという楽観性が必要です。この5つが非常に重要なファクターだと思っているのですね。これだけをやっていれば正解を得られるという仕事ではないので、これらの要素を併せ持っていることで変化に対応ができる人材が成長し、生き残っていきます。

また、この会社に脈々と流れている哲学として「全員経営」というものがあります。新入社員の時から経営者的意識を持って働きなさいというものですが、今一度そういうカルチャーを復活させる必要があると感じています。具体的には6 Together(シックストゥギャザー)と呼ばれる、供に知り、供に語り、供に働き、供に決定し、供に責任を負い、供に感じることができる組織ということです。

今後のビジョンを教えてください
今後のビジョンを教えてください

メンバーで共有してるのは、2022年までにアジアNo.1のコンテンツマーケティング会社になるという目標です。コンテンツ開発だけでなく、他社のコンテンツを借りながら、その立ち位置を引き上げていく仕事もしていきたいと思っています。広告会社としてのブランディング、マーケティングの領域も生かしていくということですね。

野田さんにとって“第二創業者”とは?
野田さんにとって“第二創業者”とは?

圧倒的な当事者意識とやりきる力です。自分が仕事を作らないと本人も面白くないと思うのですよね。組織としても、もちろんアンハッピーですし。素養のある人はたくさんいるとは思います。不足しているのは、覚悟を持って最後までやりきる力だと思います。そんな人材に期待したいですね。