INTERVIEW 第二創業者とは?
INTERVIEW 第二創業者とは?
個性的な精鋭集団を作っていく 株式会社ADKクリエイティブ・ワン 代表取締役社長 森永 賢 治
個性的な精鋭集団を作っていく 株式会社ADKクリエイティブ・ワン 代表取締役社長 森永 賢 治
ストプラからクリエイティブまでの幅広いバックボーン
ストプラからクリエイティブまでの幅広いバックボーン
まずは森永さんのご経歴からお聞かせください。
まずは森永さんのご経歴からお聞かせください。

新卒で中堅広告代理店に入社しました。当時はCM全盛の時代だったので、その影響もあってクリエイティブをやりたいと思っていたのですが、調査やプロモーション、その次にメディア(ラジオを担当)と、クリエイティブとは縁遠いところに配属されました。3年半ほど在籍したタイミングで、悪友からADKのクリエイティブ部門の募集があるから受けないかと誘われて、中途採用の選考を受けたんですが、実はストラテジック・プランニングの公募だったということがわかりました。知らずに受けた割に気に入っていただいたようで、ぜひ来て欲しいという話になり、少し迷ったのですが、せっかくなので入ってみようと考えました。

クリエイティブ志望だったにもかかわらず、ストラテジック・プランニング部門に入社した際の心境は?
クリエイティブ志望だったにもかかわらず、ストラテジック・プランニング部門に入社した際の心境は?

これは余談ですが、前職では入社して最初に受けた指示が毎朝、会社の取引先のニュースをクリッピングして紙新聞を作れというものでした。最初の1年半は新聞7紙全てを読んでまとめていたんですね。そのうち、会社の上層部から「今日はいい記事あったか」なんて話しかけられるようになったり、情報が入っているということで、アイディア会議なんかにも呼ばれるようになりました。パネルディスカッションに呼ばれたり、クライアントとの会話も成り立って頼りにされる。結局、やりたいとか、好き嫌いとかではなくて、実際にやってみて面白さを見つけて、そういった積み重ねで人生は動いていくのだと痛感しました。

仕事も同じで、クリエイティブを志望していましたが、プロモーションやイベントもやってみると意外と面白かったのですよ。メディアもそうなんですが、ラジオの企画や枠取りなんかも人間臭くて面白い作業だと思いました。望んでいたわけではありませんが、結果として非常に良い経験になりました。そういった観点から、ストプラに関してもまったく違う世界ですが、広告の世界の幅の広さを感じることができました。

さらに当時は、マーケとプロモーションを一体化したコミュニケーションプランニングが流行していて、トータルのプロモーションまで含めて実行できる人材が必要とされる時代。自分はその時流にマッチしているなという思いもありました。

様々な職種を経験して幅を持つことの価値をどのようにお考えですか。
様々な職種を経験して幅を持つことの価値をどのようにお考えですか。

弊社もある程度大きな組織体で分業体制をとっていますが、クライアントにとってはあまり関係のない話で、分けているのはこちらの都合なのですよね。ひとつひとつの作業っていうのも、もともとはひとつの塊でしかない。昔はCMで情報伝達をすればよかったのですが、今は店頭やイベントなどでブランドを丸ごと体験させることが重要。これがどのように拡散されていくのかとことも考えなければなりません。やはり上流から下流まで、あるいはTVから店頭、ネットまで幅広く体験することで、これらの手段を一元的に捉え、時代にマッチしたかたちで提案できるようになります。

ADKクリエイティブ・ワンという会社を任されることになったきっかけは?
ADKクリエイティブ・ワンという会社を任されることになったきっかけは?

結局、入社以来、毎年クリエイティブへの異動希望を出していましたし、ずっと「やりたい!」と言い続けていた人間なので、時間があれば撮影現場に行ったりクリエイティブにアイデアを出したり、編集に立ち合ったり、勝手にクリエイティブに関わってきたんです。(笑)ですから、ストプラもプロモーションもわかりながら、クリエイティブの雰囲気も理解しているということで、全体が見えるというのが、今回のアサインの一つの要因だったのではないでしょうか。

さらにいうと、クリエイティブの世界の中だけで生きていくと、ドラスティックな変化はやはり起こしにくい。そこで、改革という局面においては「大なた」をふるえる自分が適任だと会社が判断したのかもしれません。新たなビジネスモデルを広告という枠にとらわれずやってきたので、新しいチャレンジに適していると思っていただけたのかなという印象です。

エージェンシーとプロダクションの融合
どのような改革を進めていくのか。ご自身のミッションはどのようなものであるとご自覚されていますか。
エージェンシーとプロダクションの融合
どのような改革を進めていくのか。ご自身のミッションはどのようなものであるとご自覚されていますか。

まずはひとつの企業体として、利益を生むために無駄を省き、できるだけシンプルにして生産性を高めるという命題があります。そして第二に提案力の強化というところで、骨太のアイデア&企画をだし、プレゼンに勝つという大きなミッションもあります。そのためにも企画力やクリエイティブ力をいかに強化していくかということが重要となります。

組織作りという側面でいえば、あまり例のない、エージェンシーとプロダクションの融合を進めています。従来、この二つは分断された組織であることが多かったと思いますが、そこを横断するための壁を切り崩すところから始めています。クリエイターというのは元来、定量的な評価を嫌がる人種で、「数字目標で良いアイディアは、出ない!」というスタンス。そこに数字が出せる成果物を作れるのが今、求められるクリエイターなのだという価値観を定着させます。

プロダクション側でいくと逆に、数字に縛られすぎて良いアイディアがでないこともあります。そんな時こそ企画戦略会議に参加してもらって、クライアントの課題を解決するという本来の目的を強く理解することで新たな発見がある。全体の中で何をやっているかを理解してもらうことが必要だと考えています。

良いものを作るにはある程度の工数をかける必要がありますが、赤字の企画を作るのはプロではありません。期待値を超えるのは当然として、時間、リソースが限られた中で、最高のものを作るのがプロです。がんじがらめの規制の中でも、限られた予算、限られたスケジュールでベストを尽くし、最高のモノを創り上げる、そんなクリエイティブ集団を目指しています。

今後のビジョンをお聞かせください。
今後のビジョンをお聞かせください。

クライアントの要望が多様化する中で、受け皿はひとつでも多くあったほうがいいと思っています。従来のやり方に加え、新たなビジネスリソースをさらに増やしていきたいと考えます。今はテレビだけでなく、様々なタッチポイントがあり、そのグランドデザインができるところに我々の強みがあります。消費者のインサイトからコアアイディアを生みだすのはもちろん、そこで終わらず店頭、ネットでの展開、経験したユーザーが何を感じ、発信するかまでデザインをしていくことが可能です。ここに関してはエージェンシーとのワンストップ体制が最大に発揮できると思っています。

現在のフェーズにある御社にはどのような人材が必要だとお考えですか。
現在のフェーズにある御社にはどのような人材が必要だとお考えですか。

ADKというひとつの大きな集団ではなく、各ブランドの集合体を作りたいと考えていて、各々の専門性に特化したブティック化を進めています。そのためにはひとつひとつの組織自体、エッジが立っていなくてはなりません。個性を持った精鋭集団を作っていく必要があると考えています。
したがって、型にはまった“こういう人”というよりは、多様な人材ニーズがあります。とがった個性だったり、こだわりだったりがある人がいいですね。異業界で活躍していたクリエイティブ人材も歓迎です。ある種プランナーやプロモーションをする人間も「クリエイティブ人材」と捉えていて、要は生み出せる人であればいいのです。既存の広告会社という枠組にはめて考えようとは思っていない。むしろ、今は広告屋の範疇に入るかもしれませんが、将来は何屋になるか分からないわけで、そういった既成概念にとらわれない人材がどれだけ集まるか。それが未来のADKにとって非常に重要であることは言うまでもありません。

森永さんにとっての“第二創業者”とは?
森永さんにとっての“第二創業者”とは?

今までの広告会社の概念にとらわれず、チャレンジをしてくれる人ですね。自分の魅力に気づいていて、そこを最大限発揮してくれる人だと思います。「水滸伝」という作品がありますよね。個性的な人間が集まってそれぞれの得意技を生かして大きな課題を解決していく、ああいったイメージに近いかもしれません。コミュニケーション力など、基本要件は必要ですが、そのうえに個々の魅力がアドオンされていくことが重要だと思うのです。個性的な人材をまとめるのは大変ですよ。でも、彼らの個性を尊重し、プライドやこだわりを崩さないようにしてあげることが大切で、それが彼らのモチベーションを保持しながら力を発揮してもらえる秘訣なのではないでしょうか。