1回目に続き、「BEM」のリメイク版アニメーションをけん引しているメンバーに、その想いや広告会社にとってのアニメーションビジネスについて聞きました。
ADKエモーションズ コンテンツ企画局 企画開発グループ
プロデューサー Kana
---これまでのキャリアについて?
2011年入社して3年くらいは、デジタルでクライアントの課題を解決する部署にいて企業サイトやWEBキャンペーンなのどの企画、ディレクションをしていました。その後、ジョブローテーション制度と社内公募を使いコンテンツ本部に移動し、制作アシスタント⇒アシスタントプロデューサーを経て現在です。
---ADKで仕事をしていて良かったと思う点は?
若手のチャレンジに対して、比較的寛容だと思います。
コンテンツの業務で言えば、いろんな会社といろんな作品でご一緒できること。広告会社でありながら、アニメ制作にしっかりと関われることでしょうか。
---「BEM」ではどのような仕事を?
プロデューサーです。どちらかというと、私はビジネス面というよりかは、実制作やプロモーションを先頭に立って進めていく感じです。
---なぜ今「BEM」なのでしょう?
妖怪人間ベム、当時は、非常に怖い、ダークなヒーローとしてその名を馳せました。なぜ、今、令和の時代になってどこか世の中が明るくざわつく中で、BEMの再来なのか?それは、頑張っても思うようにいかず、努力が報われず、正直者がバカを見るような今の世の中で、ひたむきに生きているBEMの生き様が、不安定な今の時代にも通じるメッセージとなりうる、と思ったのです。一見明るい時代の今ですが、実は、雇用の不安定さ、数々の社会問題、将来への不安など、言い出せばきりがない現実もあります。
難しい人間社会でもがき生きる人々と、気持ち悪いけど正義感強く人間を助けていく妖怪の面々。BEMは彼らの奇妙な、奇妙な物語です。チーム内で、前作の「差別、裏切り、利用される、でもひたむきに生きる」というテーマは残しながら、キャラクターの一部は今の時代に合うように、大胆に変更を加えました。ベラは、なんと、今どきの女子高生です。そして、ソニアという女性警察官も登場します。このソニアがまた、何度BEMに助けられても、裏切る、という今どきのちゃっかり者の女性。そこは、チームの平均年齢が若いので、アイデア豊富です。
---アニメーション作品として「BEM」の魅力は?
裏切られても嫌われても差別されても、ひたむきに生きる妖怪たち。そして、彼らのあこがれは、やはり、人間です。人間になりた いのです。そして、回を追うごとに、その、人間たちにも変化が現れます。何度も助けられ、何度も裏切り、あんなに、嫌いな妖怪だったのに、あんなにひたむきに生きられると嫌いでいられなくなる。でも気持ち悪いし。そんな揺れが生まれてきます。このアニメーションのテーマは深い。こんな彼らを見ながら、「つらいのは私だけじゃない、」と思ってもらえたら嬉しいです。そして、ひたむきに生きる勇気を感じてもらえたらいいですね。
1968年 妖怪人間ベム
---広告会社ADKのBEMの中での役割は?
作品とのかかわり方には様々あります。BEMはADKが原作権を持っていて、ADKが主体となってプロジェクトを進めていきます。制作委員会では、原作者の先生含め、多くのパートナーがそれぞれの役割で関わって、一つの作品が皆さんの目の前に届きます。
音楽に関しても、アーティスト選定に自由度が高かったり、様々なブランド様との商品化などのお話も、ADKからさせていただくことになります。また、シナリオもオリジナルなので、ゼロからのスタート。チームで試行錯誤しながら、原作者や委員会と話し合いながら面白いシナリオにしていくことができます。
ADKエモーションズ ライツ事業局 ライツマネジメントグループ
Juria
---これまでのキャリアについて?
2014年に中途入社して約5年になります。前職はメーカーに勤務していました。
入社から現在までライツ事業局で、当社が関わるコンテンツにおける著作物の二次利用などを主に業務としています。
---BEMの今後の展開は?
アニメーションのオンエア後も実写ドラマや映画のお話もあります。ここ数年、続くプロジェクトとして、今、チームは様々なアイデアを出しながら、同時に、タイインや協賛含めたパートナー企業様の募集もしています。アニメーションは、1クールオンエアされたら終了、という昔の考え方とは違います。その作品は、映画になったり、場合によっては舞台に行ったり、商品がでたり、と様々な可能性を秘めています。私たちチームは、作品の多くの可能性を引き出すために、日々、ひとつひとつの仕事を積み重ねています。
BEM公式サイト
https://newbem.jp/